エキゾチックアニマルってなに?
エキゾチックアニマルとは、ご家庭で一緒に暮らしているちょっと変わったペットたちのことを言います。たとえばウサギ、フェレット、ハリネズミや小鳥、トカゲやヘビといった、様々なエキゾチックアニマルがいます。
現代では様々なエキゾチックアニマルがご家庭で一緒に暮らせるようになりました。その中にはワンちゃんや猫ちゃんと同じように人と触れ合うことを楽しむことができる種類もいれば、触られるのは苦手でもっぱら静かに鑑賞を楽しむ種類もいます。現代人が多様な生活スタイルで暮らしていることを考えると、ひとりひとりが自分の生活スタイルに相性の良いペットを探しやすくなった、といえるかもしれません。
しかし、家庭で飼育される様々なエキゾチックアニマルが増える一方で、その子が病気になったときに診察が出来る病院は多くありません。まだペットとしての歴史が浅く、わかっていないことがたくさんあるからです。エキゾチックアニマルは、その子の本来の生態と、用意すべき環境、診察が可能な病院など、十分な知識を飼い主さんが勉強してからお迎えすることをおすすめします。
当院で診療できる
エキゾチックアニマル
ウサギ
モルモット
フェレット
チンチラ
ハリネズミ
デグー
フクロモモンガ
ハムスター
リス・ジリス
小型鳥類
※ その他の哺乳類、爬虫類、両生類、大型鳥類などの動物にも可能な限り対応いたしますが、一度来院前にお問い合わせをお願いいたします。
※ なお、奇虫、有毒生物、サル類の診察は行っておりません。
当院長が神戸で勤務していた北須磨動物病院は、関西で屈指のエキゾチックアニマルの診察を受け入れている大きな病院です。ウサギのような小型の哺乳類から、大型の鳥類、ヘビやカメなどの爬虫類も診察を受け入れていました。一方で、病気の経緯を記録して学会で積極的に発表することにも力を入れており、まだまだ少ないエキゾチックアニマルの病気の知見の蓄積にも貢献してきました。
当院長の立岩も、いくどか発表の機会を得て、エキゾチックアニマルの症例発表などをおこなってきました。
エキゾチックアニマルの診療がより充実したものになるためには、全国でエキゾチックアニマルの診療に携わる者同士の知識の共有が欠かせません。
これからも書籍、学会での情報交換、オンラインセミナーなどを活用して新しい知見を仕入れ、皆様に還元していく所存です。
過去発表タイトル
- ウサギの耳根部域に皮下膿瘍を伴った慢性中耳炎の3症例
≪共同:立岩想・佐々井浩志ほか(北須磨動物病院)≫
第39回動物臨床医学会年次大会
エキゾチック分科会Award受賞
- ウサギの耳科疾患に関する一考察
≪共同:立岩想・佐々井浩志ほか(北須磨動物病院)≫
日本獣医エキゾチック動物学会症例検討会2019
日本獣医エキゾチック動物学会誌 vol.1 掲載
- コルセット装着にて寛解を認めたデグーの外傷性頸椎脱臼の一例
≪共同:立岩想・佐々井浩志ほか(北須磨動物病院)・濱本健三(市田動物病院)≫
日本獣医エキゾチック動物学会オンライン症例検討会2021
日本獣医エキゾチック動物学会誌 vol.3 掲載
来院時のご注意
来院はなるべくケージのままで!
エキゾチックアニマルはかなり繊細な子が多いです。環境の変化には特に敏感で、それだけで体調を崩す場合があります。体調が悪い時に病院に連れて行くということは、本人にはかなりストレスがかかります。なるべく移動の刺激が少なくて済むように、ケージが特別大きいものでなければ、ケージのままで連れてくることをおすすめします。
また、ケージの持ち運びが困難な場合は、飼育環境の把握のためにケージの写真を撮ってきていただくようお願いします。
めかくしして安心、保温も大切
ハムスターやハリネズミ、小鳥といったエキゾチックペットは体がとても小さいため、急激な温度の低下に適応できずに弱ってしまいます。特に冬の寒い日に病院へ連れていくときは、先に車内を暖房で温めておいたり、ケージにタオルをかけたり毛布で包んだり、寒さで体温が下がってしまわないように気を付けながら来院してください。ケージをタオルで目隠しすると、慣れない外の光景を見てペットが緊張するのを防ぐことにもつながります。
住環境、食生活も教えてください
先にお話ししたように、エキゾチックアニマルはとても繊細な生き物です。そのため、体調が悪いのがまわりの環境のせいだった、ということも多くあります。エキゾチックアニマルの診療をするときにはその子がどんな環境で生活しているのか、また最近環境の変化がなかったか、しっかり知ることが大切です。「家族が増えた(減った)」「引っ越しした」「帰省で人が多かった」「ケージの場所を変えた」様々な要因があります。当院では問診票をご用意しているので、なるべく気づいたことは詳細にご記入ください。
「様子の見過ぎ」は禁物
エキゾチックアニマルの多くは「被捕食者」です。野生下だと常に自身が誰かに食べられる危険にさらされています。襲ってくる動物は基本的に弱っている動物、けがをしている動物を選んで襲います。そのため被捕食者は必死で自分の体調不良を隠す性質があるのです。これは安全な家の中で生活するペットでも同じで、基本的に体調不良は隠してしまいます。ちょっと食欲がなくても普通にご飯を食べたりします。そのため、「あれ?体調悪そう…?」と飼い主さんが気づいたときにはもう命の危機が迫っていることも少なくありません。
エキゾチックアニマルが体調不良のSOSを出していると感じたらすぐに病院へ行ってください。様子の見過ぎが命取りになることがあります。
エキゾチックアニマルにとっても、病院はいざというときにはいかなければならない場所。
でも、病気でないと来てはいけない、という場所でもありません。
神経質で、来院のストレスで体調を崩してしまう…というわけでなければ、爪切りなどでもお気軽にご来院ください。
飼い主さんが動物病院がどんなところか知っていて、落ち着いていられることもペットの安心につながる大切な要素です。