当院でできること
当院では、個人病院で対応できる限りの先進医療から、副作用の少ない緩和治療までご提案しています。
大きく分けて「外科手術」「抗がん剤」「緩和治療」といった種類の治療がありますが、いくつかを一緒に実施することもあります。
ご家族のお気持ちに少しでも寄り添えるような、治療の選択肢を一緒に探しましょう。
外科手術
腫瘍としてペットの体にできてしまったものを物理的に取り除きます。実際には電気メス、レーザーなどを使用するため、麻酔をかけることが必須となります。体に悪いものを直接取り除ける、完治できる可能性があるというメリットがあります。しかし体に傷をつけることなど、ペット自身に負担がかかることがデメリットとなります。また、その腫瘍の性質によっては手術することで悪化する可能性があるため、実施できない場合もあります。
抗がん剤
点滴薬、飲み薬、注射薬。毎日使うものから月に1回のもの、様々な抗がん剤があります。腫瘍を小さくすることで体を楽にするもの、腫瘍が大きくなるのをゆっくりにしてペットに長生きしてもらうもの、手術と組み合わせて完治を目指すもの、目的も様々です。
外科手術のように直接的に体を傷つけるデメリットはありません。一方で、薬の使い方や相性次第では、熱が出たり、下痢、嘔吐など副作用が強く出てしまう可能性があります(人に比べると発生率は低く、症状が軽いことが多いです)。同じがんであっても使う目的、その子の状況に応じて、抗がん剤は種類や量、使い方を考える必要があります。「抗がん剤は絶対しない」と決めつけず、まずは相談してみてください。
緩和治療
緩和治療は基本的に腫瘍の完治を目標としていません。腫瘍の中でも特に悪性度が高くて治療が難しい状況や、余命がながく見込めない状況はどうしてもあります。そのようなときに今ある痛みや不快感をやわらげて、ペットが少しでも気持ちよく過ごせるような治療を緩和治療といいます。病気を治すという意味では積極的な治療ではありません。しかしペットが大好きなご家族と少しでも長く、心穏やかに過ごせるならこれも大切な選択肢です。
放射線治療や、その他の高度医療が必要と考えられる場合、大学病院などの二次病院へご紹介いたします。
ペットのがん
腫瘍という病気は、高齢化にともなって増えてきます。これは人の病気と同じです。一昔前だと、感染症やケガで多くのペットが命を落としていました。しかし時代が変わり、ペットは家の中で衛生的に過ごすようになりました。他家庭のペットどうしの接触が減ったことで、ケンカしたり病気をうつされることも少なくなりました。またフードの質が良くなったことで、ペットの栄養状態もよくなり長生きできるようになりました。
一方で死亡原因として増えてきたのが悪性腫瘍(がん)です。がんは様々な場所にできます。体の表面にできものとして見える形で現れることもあります。一方で体の中の方でこっそりと成長していくがんもあります。がんができてしまう原因は遺伝性のもの、ウイルス性のもの、ホルモン性のものなど様々です。できてしまった原因がわからないことも多いです。いくつか予防できるがんはありますが、それをのぞいて、がんができてしまったことに飼い主さんの責任はありません。誰も悪くありません。
大切なペットが苦しんでいる様子は見ているだけでつらいですが、「どうしてこうなってしまったのか」それを考えていても仕方ないのです。大切なのはペットの体の中のことを少しでも早く、正確に把握すること。そしてその上でどんな治療の選択肢があるのかを知ることです。
動物病院に行って検査することで「知りたくなかった」と思うこともあるかもしれません。しかし、いまその子のために何かしてあげられるのはご家族だけです。がんの治療は長く、定期的に通院が必要になるケースも少なくありません。少しでも早く気付いて、早く治療を始めたことで余命が変わることもあります。
動物病院では、今隠れているがんを探したり、今後の治療の選択肢を一緒に考えることができます。がんは様々な場所にできる病気なので、現れる症状も様々です。「なにか変だな」そう思ったら動物病院に行ってみてください。
セカンドオピニオンも受け付けています
他院で診断を受けた方、現在治療中の方でも当院でのご相談が可能です。ご希望の場合は、これまでに受けた検査の結果と、治療中であればおわかりになる範囲で構いませんので治療経過やお薬をメモしてご来院ください。
当院で行った検査結果等は、渡せるデータはすべて飼い主様へお渡しいたしますのでご安心ください。